会社の1階(編集部は2階)でプリンターのトナー交換を女性職員に頼んだところ、「(予備のトナーがプリンターの側に)あったら1階へ内線鳴らして」との返事があった。編集部で確認すると、予備のトナーがある。すぐに内線をしたが、そのやり方がまずかったようだ。ちょうどその女性職員は手が放せない作業中。受話器をわざわざ取らなくてもいいようにと気を利かせたつもりで内線のコールだけした。編集部にいるのは1人だけと相手も分かっているはずで、これで通じると思った。結果は大失敗。こちらが面倒くさくてコールのみで切ったと〝誤解〟を受け、事情を説明するのに困った。
意思疎通、コミュニケーションというものは本当に難しい。あまりよく知らない人なら丁寧に言葉を選んで理解してもらえるように努めるのだが、親しい仲になるとどうしても簡単に済ませてしまう。朝、「あれ、買っておいて」と妻にお願いし、夜になって帰宅すると「これ、違う」。そんな些細な行き違いから大喧嘩に発展したという経験をしたことがある人も多いのではないか。相手に伝える、相手を理解する、普通にできると安易に考えてしまっていると、いらぬトラブルを招く。
同じ言葉でも、TPО(時間、場所、場合)の使い分けが必要なのもいうまでもない。例えば妻が子どもを出産する際。まだ、妊娠が分かる前の普段の会話で「立会いは、ようせんかな」と即答したとしても聞き流してくれるが、これがその時になると、相手を傷つけてしまう可能性もある。親しい仲の会話ほど、聴き方によっては心無い言葉が飛び交っている。逆に、少しの繊細さでさらに絆は深まるはずなので気をつけていきたい。(賀)

