ソメイヨシノが満開を迎え、艶やかな薄ピンクの花が木全体を染め上げている。数百本が植えられているようなサクラの名所では、その美しさに圧倒されてしまうほどだ。サクラには満開の光景だけでなく、花が風に舞い散る美しさや花一輪ずつのきれいさが感じられ、いろんな楽しみ方ができる。
 日本には花見の文化が根付いている。花見といえば、まず最初に浮かぶのがサクラ。インターネットで歴史を調べてみると、「江戸時代から庶民に広まった。徳川吉宗が東京の浅草などにサクラを植えさせ、行楽を奨励した」などと書かれている。いまでは日本人だけでなく、大勢の外国人らも花見を目的に訪れるほどだ。
 また、サクラと聞くだけで、連想されることも多い。例えば、入学式や春の暖かな季節などがあり、歌の歌詞にもよく登場する。物事の例えに使われる場合も多く、産卵期の春にサクラのように美しい色彩を持ったマダイをサクラダイとも呼ぶ。他に桜前線などという言葉もあり、サクラは日本人と深くつながっている。
 いまソメイヨシノが見ごろ。各所ではきれいな花を枝いっぱいに咲かせている。しかし、ことしの開花時期は雨の日続き。先週は雨の日が多く週末の8日も雨。9日は日差しが見える天候となったが、予報では11日も雨模様だという。しかし、サクラの楽しみ方はいろいろで、花筏(はないかだ)もその1つ。風雨で散ったサクラの花びらが帯状になって水に浮かんで流れていく様子を筏に見立てた言葉で、日本人らしい響きや情緒ある風景が目に浮かぶ。ことしは木の上だけでなく、水面にも目を向けてきれいなサクラを楽しんでみてはいかがだろう。  (雄)