アメリカ・テキサス州の州都オースチンのジャパニーズガーデンにかつて咲き誇っていた御坊生まれの舞妃蓮を復活させようと、舞妃蓮保存会の阪本尚生会長(御坊市)は7日、レンコンを現地に発送した。ジャパニーズガーデンが2年後にオープン50周年を迎えるのに合わせた取り組みで、父の故・祐二氏が昭和44年に初めて分根して以来およそ半世紀ぶり、再び海を渡ることになった。
 オースチンにある13㌶もの広大な敷地を誇るジルカー植物園の中には、和歌山県粉河町(現紀の川市)出身で現地に移住した造園技師の故谷口勇氏が自費を投じて整備したジャパニーズガーデンがある。「イサム・タニグチ日本庭園」とも呼ばれ、昭和44年に完成。同年4月13日には開園式が行われた。谷口氏は、祐二氏が昭和41年に大賀ハスと王子ハス(アメリカキバスの一種)をかけ合わせて誕生させた御坊生まれの舞妃蓮という可憐な蓮があることを知り、分根を依頼。祐二氏は快諾し、舞妃蓮と大賀ハスを送り、オープン初年度の8月には早速、見事な大輪を咲かせた。昭和50年ごろまでは毎年花を咲かせていたが、谷口氏はその後他界。池は残ったが、ハスなどはすべてなくなった。
 テキサスに留学経験がある大阪在住の男性を通じて昨年春、ジルカー植物園から「50周年に向けて蓮池を復活させたい」と阪本会長に依頼があり、準備を進めていた。10月には最大の難関とされていたアメリカの検疫局から輸入許可が下り、計画は一気に前進。今月5日には阪本会長が神戸植物防疫所大阪支所へ、分根する舞妃蓮と大賀ハスのレンコンを3本ずつ持ち込んで検査を受け、見事パス。いよいよアメリカに渡ることになった。
 発送する前には、保存会事務局長の平井俊哉市議と2人で御坊市の柏木征夫市長を表敬訪問し、分根することを報告。柏木市長は「花はどこの国に行っても受け入れられるでしょう。現地で花が咲いたという報告が来るのを楽しみにしています」と期待を膨らませた。阪本会長は「父が分根した舞妃蓮を再び発送することに不思議な縁を感じる。分根できるのも母がハスを守ってきてくれたおかげ」と両親に感謝した上で、「順調に行けばことし夏には花を咲かせるでしょう。御坊生まれのハスがアメリカでも有名になるくらい、再び咲き誇ってくれることを願っています」と話した。