一世を風靡しながら、あっという間に落ち目になったり、調子に乗りすぎて大失敗したりした芸能人らが登場するテレビ朝日の番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」。人の不幸は蜜の味というわけではないが、それぞれの失敗談がユーモアたっぷりに語られ、なかなか面白い。番組のHPでは「過去に大きな失敗を体験した〝しくじり先生〟たちが『自分のような人間を増やすまい』という熱意を持ち、生徒たちにしくじった経験を教えている学園」とPRされており、「反面教師」から学ぼうとの趣旨のようだ。
記者をしていると講演や研修会で「成功体験」を勉強させてもらえる。商売繁盛の秘訣、人との付き合い方、子育ての仕方など幅広い内容の取材があり、身になることも多いのだが、いざ自分が試そうとすれば二番煎じとなってしまい、先駆者ほどの成果が得られないことも予想される。その点、しくじり先生の失敗談では「成功例をパクる」のではなく、それを参考に自らが成功への道筋を考えることができ、一般的な講演や研修にはない面白さが味わえる。
失敗体験を生かせるかどうか。政治の世界をみても、その大切さがよく分かる。政権転落の失敗を生かしているのが自民党、ほとんど生かしていないのが民進党(旧民主党)。支持率や選挙の結果にもよく表れている。
以前、取材先の方から「失敗は負(敗)けを失うと書く。同じ失敗を繰り返さなければ負けがなくなっていって勝ちにつながる」との言葉をいただいた。失敗を恐れず挑戦すること、それに失敗から学ぶことの大切さを伝えようとしてくれたのだと思う。しくじり先生を観ながら、思い出した金言である。 (賀)

