認知症になっても住み慣れた地域で安心して生活が送れるまちを目指している御坊市は先月23日、御坊市御坊の旧中川邸で認知症の当事者に本音で語り合ってもらう「認知症本人サミット」を初めて開催。県内外の11人が参加し、交流を深めた。
 御坊市内から3人のほか、広川町3人、奈良2人、大阪2人、兵庫1人が参加。家族や市職員、和歌山市や新宮市からの視察も含めて総勢43人が集まった。本人たちが自己紹介し、昼食後はフリートーク。仕事一筋で頑張ってきて退職後に認知症になった60代の男性は「地域とのかかわり方が分からなかったが、妻に助けられている」、別の参加者からは「認知症は周りからマイナスイメージで見られていると思っていたが、同じ病気を抱える人とたくさん出会ったことで前向きに生きられるようになった」と周囲のサポートに感謝の言葉が聞かれた。同じ趣味で意気投合したり、ハーモニカを持参した80代男性が「ふるさと」を演奏し、みんなで合唱するなど盛り上がった。
 企画した市介護福祉課では「第1回目としては大成功で、人とのつながりの大切さを再認識できた。来年度は回数を増やして開催し、広川町や大阪へ出向いて地域交流を広げていきたい」と話していた。