美浜町は、地方創生事業の一つ、「日の岬・アメリカ村の再生とふるさと教育」に着手した。本年度から5年間、約1億8000万円かけ、カナダ移民の町として知られるものの高齢化が進み、過疎化が深刻な三尾地区の活性化を図る事業。移住文化を象徴する民家や古民家、公民館を漁師レストラン、ゲストハウス(簡易な宿泊施設)、資料展示の場として整備するほか、中・高校生らをカナダに派遣、移民の歴史を学ぶ機会を提供していく。
町担当課によると、三尾地区は高齢化率が約50%で、平成20年には地元の小学校も廃校になった。古くからカナダ移民の町として知られ、「アメリカ村」と呼ばれるが、近年、高齢化などによりアメリカ村らしい景観は失われつつあり、日の岬パーク閉鎖(同27年2月)後は住民から寄贈された生活用具や貴重な文献など(パーク内のカナダ資料館に展示)もほとんど活用されていない。地域の歴史を知る人たちも90歳を超えてきており、早急な対応が必要なことから、地方創生事業の一つとして「アメリカ村再生」に取り組むことにした。
本年度と29年度は三尾公民館、同館すぐ北の「法善寺遊心庵」、同館南30㍍ほどに位置して移住文化の象徴として残存する民家「野田邸」を改修。公民館は地元産品を使った漁師レストランと物産販売所など、外観が日本風で内部が和洋折衷の遊心庵はゲストハウスなど、野田邸は資料展示の場などとして整備する。遊心庵は所有者と無償の賃貸契約を結び、野田邸は所有者から寄付を受ける見通し。ゲストハウスについては観光客だけでなく、転入を考えている人たちの「お試し移住」にも利用するという。事業の詳細は町内各種団体、住民代表、有識者らで構成する協議会を立ち上げて検討し、30年度のスタートを予定している運営については民間の団体に担ってもらうようにする。
その他、5年間の事業では、高校生や大学生の協力を得ての観光コース開発(29年度)、外国人観光客に対応するため英語を話せる「語り部ジュニア(主に中・高校生)」の養成(30年度)、生徒らのカナダ派遣(31年度)、イベントの実施(32年度)などを計画。カナダ派遣ではバンクーバーで生徒たちに高齢カナダ移民のインタビューを行ってもらう。
本年度は今月14日の臨時議会で3100万円の予算が認められ、早ければ3月中にもレストランとゲストハウスの設計などに取りかかる。近く三尾地区で住民説明会も開き、事業の周知を図っていく。
町担当課では「漁業の後継者も激減している。新たな視点から地域資源を見直し、活用して地域活性化を図っていきたい」と話している。

