美浜町人権尊重推進委員会の研修会で、和歌山地方法務局御坊支局管内人権擁護委員で日高町小浦の浄土宗浄土院住職を務める前田智教さん(69)が「はじめてのインド~今、大切に思うこと~」をテーマに講演した。
平成27年のインド訪問で感じたことや現地の様子を紹介。「学校の時間に子どもがはだしで道路を走り回り、日本人の顔を見ると物乞いする子もいる。その一方で、タクシーで学校に通う裕福な子もいる」と貧富の差を目の当たりにしたこと。また「列車が16時間で到着するはずが、20時間かかった」などの体験を映写機で写真や動画を上映しながら説明してくれ、興味深く聴き入った。
日本では考えられないような出来事に次々と遭遇した前田さん。一番印象的だったのは「苦しい生活をしている人たちが見せる素晴らしい笑顔だった」と強調のうえ、「お金や物がなくてもできるお布施がある。それは和顔施(わげんせ)といい、やさしい顔つき、すなわち笑顔。インドでは何よりも尊い和顔施のお布施をいただいた」と紀行をまとめた。素晴らしい笑顔に接する中で笑顔の大切さを再認識し、自らも笑顔の実践を誓っていた。
普段、あちこちで笑顔は見られるが、その素晴らしさを感じることはあまりない。インドでは「困難な生活」と「笑顔」というギャップがあり、あらためて笑顔の素晴らしさを感じることができたのだろうか。
夜に開かれた研修会の取材を終えて帰宅すると、3歳の娘が「お帰り」とニコニコして迎えてくれた。筆者の場合はこの笑顔が「笑顔の大切さ」を教えてくれる。笑顔のお布施はいただくばかりではなく、与える側にもならなければ。 (賀)

