世耕弘成経済産業大臣(ロシア経済分野協力担当大臣)が18日、日高町などで国政報告会を開き、先の日露首脳会談で合意された北方4島での共同経済活動について、「2島ではなく4島で、(今後協議が始まる)新たな法制度の下で経済活動を進めることは、ロシアにとって大きな譲歩。平和条約締結に向けた重要な一歩となった」と成果を強調した。80件の具体的プロジェクトも「必ずペイできるものしか選んでいない」とし、いわゆる「食い逃げ論」の懸念を否定した。
 日高地方の支持者にとっても、今回の国政報告会の最大の関心はなんといっても日露関係。この日は美浜町と日高町で国政報告が行われ、日高町は中央公民館会議室に入り切れない約250人が詰めかけた。
 領土問題に具体的進展がみられなかった今回の首脳会談の結果に対し、国民、日本のメディアからは「期待外れ」「ロシアにうまく利用されている」などという批判の声もあるが、世耕大臣は「中身をよくみれば大きな成果はいくつもある」と反論。自身が官房副長官時代に首相に進言、これまでの4島の帰属問題を含む平和条約締結を優先してきた日本の外交姿勢を改め、経済協力を先に進める提案がロシアの譲歩を引き出したと主張した。
 安倍首相はことし5月のソチ会談で、世耕大臣がまとめた健康長寿社会の構築など8項目の協力プランを説明。その際、世耕大臣は各項目をビフォーアフターの写真で示すことを発案し、「安倍首相が紙芝居のように説明したことでよく伝わり、私の作った資料がすごくほめられた。これが大統領のハートをわしづかみにしたんです」と、隠れた自身の功績を冗談まじりに明かした。
 両首脳は今回、北方4島で医療や観光など各分野の共同経済活動を進めることで合意した。世耕大臣はプーチン大統領が4島を対象とし、ロシアの法律でも日本の法律でもなく、「新たに結ぶ国際条約の下で経済協力活動を進めることは、ロシアにとって大きな譲歩だ」と指摘。そのうえで、「首脳同士の強い信頼関係が政治を安定させ、共同経済活動を後押しし、それによって政治が前進する好循環を生み出すと期待したい」と述べた。
 また、今回調印された官民合わせて80件のプロジェクトに対するロシア側の食い逃げの懸念については、「各分野で日本の企業にチャンスが生まれ、儲かる仕組みで、ロシアが足りない部分の支援もすべて、融資や投資で必ず日本側に返ってくる。食い逃げはあり得ない」と否定した。