県は来年度から御坊市藤田町藤井地内の日高川で行う右岸側の堤防改修事業に合わせ、左岸側の堆積土砂の一部を右岸側に移動させることで川の流れを変える「川替え」を実施する。洪水対策の一環として、御坊市や御坊市議会産業建設常任委員会が要望していた。右岸に沿っていた水の流れを左岸へ移すことで藤井多目的グラウンドへの浸水被害軽減や、堆積土砂の改善につながると期待されている。
 藤井や野口地区の日高川では以前から、流下能力の弊害となる土砂の堆積が大きな問題となっており、市や同委員会では県に対して再三、しゅんせつ等の要望を続けている。県は対策の一環として昨年度、野口新橋近くで川の中央付近に中洲のように堆積していた土砂の中央部分に溝を入れ、これまでは両サイドだった川の流れを中央に変える「川替え」を実施。流下能力の向上を図った。
 今度は、藤井グラウンドの対岸に大量に堆積した土砂を使って新たに川替えする。県は同グラウンドから上流側にある土生川との合流付近と、さらに上流部分の右岸側に設置している堤防を守るための消防ブロックが老朽化しているため、新しいブロックを投入して補強する工事を3年かけて実施する。ブロック投入等のための作業道路を、現在は水が流れている右岸側に建設する必要があり、左岸側の土砂の一部を利用するのに合わせ、川替えも実施することになった。
 左岸側の土砂を取り、右岸側に移動して作業用道路を建設することで、これまで下流向きに左カーブだった川の流れがほぼまっすぐになり、右岸に沿っていた川の流れを左岸側へ誘導。これにより、右岸側のブロックや藤井グラウンドに直接ぶつかっていた水流が解消され、藤井グラウンドの浸水対策につながると考えられている。さらに川の流れをまっすぐにすることで流下能力が向上し、堆積土砂が少しずつ河口へ排出されることにも期待されている。
 市では「完成すれば藤井グラウンドはこれまで浸かっていた雨量では浸水しなくなるのではと期待していますし、堆積土砂が少しでも解消されればと願っています」と話している。