5日早朝、御坊市湯川町財部で民家火災があり、火は通報から約1時間後に消し止められたが、焼け跡から男性1人の遺体が見つかり、女性1人が心肺停止状態で病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。住民の80代夫婦と連絡が取れていないことから、亡くなったのはこの夫婦ではないかとみて、御坊署が遺体の身元や出火原因等について調べを進めている。
 現場は、御坊市湯川町財部、スーパー「エバグリーン御坊店」の道向かいにある井ノ口幸一(ゆきかず)さん(80)宅。午前5時45分ごろ、通りがかった男性が火事に気づいて119番通報し、市消防本部と市消防団湯川分団から消防車など9台、36人が出動して消火にあたった。
 井ノ口さん宅は鉄骨2階建ての店舗兼住宅で、飲食店などが並ぶ県道に面し、1階部分では井ノ口さんの妻イツ子さん(81)が数年前まで喫茶「パピヨン」を経営。その東側はコインランドリー、さらにその東側はテナントの美容院となっている。
 火は6時47分に鎮火したが、西側の井ノ口さんの住居部分延べ約250平方㍍のうち、1階約80平方㍍が全焼。燃えたのは内部が中心で、隣接のコインランドリーやすぐ南側の湯川幼稚園への類焼はなかったが、現在は住居となっている元喫茶店の1階にあったベッド付近で男性の焼死体が見つかり、猛煙に包まれた2階からは女性が心肺停止状態で発見された。女性は救急車で市内の病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
 火元は元喫茶店の1階とみられるが、出火原因は調査中。2人の遺体の身元も5日正午現在、分かっておらず、井ノ口さん夫婦とみて、男性はDNA鑑定など、女性は別に住んでいる家族らによって確認を急いでいる。
 ことしに入って御坊市内の火災による死亡は、10月13日に藤田町吉田で女性1人が亡くなった民家全焼に続いて2件目、犠牲者は3人となった。