先日、みなべ町連合保護者会(畑谷崇会長)の教育講演会が開かれ、ロンドン五輪日本女子体操選手で日本体育大学児童スポーツ教育学部助教の田中理恵さん(岩出市出身)が「スポーツを通じて私が学んだこと」をテーマに語った。
 体操を始めたのは小学1年の時。毎日夜9時、10時まで練習を続けたという。けががきっかけで、高校3年生の時には一時体操をやめた時期もあったそうだ。しばらくは友達とカラオケに行ったり食事したりする高校生らしい生活を送ったが、頭の隅には常に兄弟2人(オリンピック選手の田中和仁、佑典)のことがあったという。それで遊んでいても楽しくなく、再び体操を始め、「やっぱり体操が好きだということに気づいた」と話した。
 以前読んだ遠藤周作の著書で「好きという感情は、嫌いになって捨ててしまうこともある。しかし、愛するということはどんな形になっても決して捨てないこと」という意味合いのことが書かれていた。田中さんも最終的に、厳しい練習でつらい思いをしても体操を続け、捨てなかった。遠藤氏の考えからすると、体操を好きというより愛していたのだろう。
 「継続は力なり」ということわざがある。実行するのは難しいが、続けることがなければ物事の成功はない。筆者の場合も、途中であきらめてしまったことがたくさんあるが、いまから振り返ると、最後まで続けていればそれなりの成果は出ていたのかもしれない。
 田中さんが五輪に出場したのは25歳の時だった。女子の体操選手としては遅咲きだが、幼い時からの努力の継続が最後に大きな花を咲かせた。時間がかかっても物事を成功させるのは、それを愛しているか、ということだろう。    (雄)