由良町は、平成28年度文化賞を発表した。受賞者は、日本書芸院師範の上本郁子さん(86)=里=。自身が開いた塾で63年間、公民館習字教室で43年間もの長きにわたって書道の指導や普及に現役で活躍しており、町の文化発展に大きく貢献している。表彰式は11月3日午前9時から役場で行われる。
書との出会いは、小学校の時に教諭だった故大岡皓崖氏からの指導。日高高等女学校では、坂柳天窓氏から学び、卒業後は学校教諭を数年経験したが、自身の出産を機に地元の寺の有志が始めた幼稚園で勤務。その後、そろばんやピアノ、学習塾などがブームとなる中、周りの勧めもあって、書道塾「翠汀(すいてい)書院」を立ち上げ、現在に至る。小学校から高校生までが対象で、これまで指導した子どもたちは数えきれないほど。現在は10人を指導しているが、多い時は50人の塾生を抱えていた。子どものためにと、直さなければならない点については厳しく指導するのがモットー。教え子の中から段位を取得した子もおり、指導者も多数輩出。この傍ら、公民館書道習字教室では、一般を対象に指導し、地域住民への書道の普及に尽力している。また、日本書芸院展では、特別賞を受賞するなどで無鑑査。御坊市展の審査員なども務めている。また、書道だけでなく、昭和47年から50年までは社会教育指導員、58年から60年まで町文化協会副会長も務め、町の文化振興に寄与した。
受賞に際して「書道塾を始めるとともに、炭山南木氏の神融会、天石東村氏の青潮会、大岡氏の壹魯会に入門しました。これまで培ってきたノウハウを少しでも造詣の深い皆さま方に伝授できたらと思っています。もう"第三の人生"に入りましたが、身に余る賞をいただき、少しは由良町の文化の向上に役立てたかな...と喜んでいます。この上は、命の続く限り研さんを重ね、少しでも世の中のために尽くしたいと思います」と話している。

