アメリカ・テキサス州の州都オースチンのジャパニーズガーデンにかつて咲き誇っていた御坊生まれの舞妃蓮を復活させようと、御坊市の阪本尚生さんらが取り組んでいる計画が、大きく前進した。アメリカへ分根するためには厳しい検疫を受ける必要があるが、ことし9月、米国農務省植物保護検疫局がレンコンの輸入を許可。最大の難関を通過できる見通しが立ったことで、来春にも分根手続きを進める。
州都オースチンの13㌶もの広大な敷地を誇るジルカー植物園の中にあるジャパニーズガーデンは、和歌山県紀北地方出身で、同州に移住した造園技師の故谷口勇氏が自費を投じて昭和44年に整備した。「イサム・タニグチ日本庭園」とも呼ばれている。
谷口さんが一時帰国したときに、故阪本祐二氏が昭和41年に大賀ハスと王子ハス(アメリカ黄バスの一種)をかけ合わせて舞妃蓮を誕生させたことをラジオ放送を通じて知り、分根を依頼。阪本氏は快諾し、昭和44年に舞妃蓮と大賀ハスを送り、ジャパニーズガーデンで見事な大輪を咲かせた。谷口氏はその後亡くなり、池は残ったが、ハスなどはすべてなくなった。
ジャパニーズガーデンが3年後に50周年を迎えるのを前に、テキサスに留学経験があり、現在はNPO法人IMAGINEの理事を務める釘宮公一さん(大阪)を中心とした日本人有志がハスを復活させようと計画。舞妃蓮が御坊生まれだと知り、半世紀の時を超えて阪本氏の長男・尚生さんに分根依頼があり、舞妃蓮と大賀ハスのレンコンを送ることになった。
そこでネックとなるのが検疫。生態系への影響などから植物の輸出入には厳しい検疫があり、今回もスムーズに分根できるかが心配されていた。今回、アメリカの検疫局が輸入許可を出したことは分根実現への大きな前進となる。
尚生さんは「これからまださまざまな手続きがあるが、輸入許可が出たことは大きな一歩で、ほっとしている。来年春にもアメリカへ送る手続きをしたい」と胸を躍らせ、「無事送れても、テキサスの気候等の環境でどれだけ順調に生育できるかは、やってみないと分からない。50周年には、見事に美しい花を咲かせてくれることを期待しています」と願いを込めて話している。

