日高町方杭、温泉館「海の里 みちしおの湯」は、夏場の入館者数が好調で、年間を通して3年ぶりに5万人突破のペースで推移している。今夏は好天に恵まれたのをはじめ、町が本年度で「温泉の素」の開発や館内での園児の絵展示、リーフレット刷新など、地道なPR活動を展開していることが功を奏したとみられる。温泉館は一時、レジオネラ菌の発生などで入館者数が落ち込んだこともあったが、関係者は人気復活に期待を寄せている。
 温泉館の入館者数はオープンした平成12年度と翌13年度が10万人を突破したが、以後右肩下がりで減少。20・21年度が6万人台、22年度から25年度の4カ年が5万人台となった。さらに26年度はレジオネラ菌の発生や方杭までの県道崩土に伴う通行止め、食堂業者の退去などが重なり、過去最低の4万2123人に落ち込んでいた。27年度は7月に食堂「みちしお亭」が再オープンしたことの相乗効果もあって4万8443人に回復。本年度は4月から8月の5カ月間で2万4896人が入館しており、前年度の同じ期間と比べると1032人の増加。特に7月が6612人、8月も8913人で多かった。今後、冬場にも多くの入館者が見込まれ、町では「このまま順調に推移すれば、5万人を超えるのではないか。入館者数がⅤ字回復してくれればありがたい」と話している。
 温泉館人気の復活に一役買っている温泉の素については、館内で絵を展示している保育所園児の保護者にプレゼントしたり、PR用に活用したりしているが、仕入れ値と販売価格の調整が難しいことなどから、いまのところ商品化は未定となっている。
 みちしおの湯は、ナトリウム、カルシウムを含んだ塩化物泉で神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、慢性消化器病、痔症、虚弱児童、慢性婦人病などに効能があるとされている。入浴料は大人600円、小人300円、障害者手帳保持者(身体・知的・精神)及び満70歳以上、介添人510円。お得な回数券もある。開館時間は午前11時~午後9時。休館日は毎週火曜日。