世耕弘成経済産業大臣は27日、御坊市内で大臣就任に際しての記者会見を行い、「初入閣での重要ポストに緊張もあるが、就任したその日からバリバリ仕事をさせていただいている。和歌山県民の生活に密着した行政、大臣の仕事を通して、和歌山にプラスになる政策を進めていきたい」と意欲を示した。
 以前から主張している和歌山の発展に大きな可能性があるという水産物の輸出については、「日本の魚をきちんと冷凍加工し、メードインジャパンとして売っていけばノルウェーサーモンに匹敵するマーケットを確保できる。その手本として、近大が冷凍加工ブリの輸出を進めているが、こういったプロジェクトを後追いする事業がどんどん出てきてほしい」と期待。
 また、県勢浮揚には人材の流出を防ぐことが重要との考えから、「中堅どころの人材が和歌山に残ってくれる政策を進め、地場の中小企業が社員にしっかりと給料を払える環境づくりも必要。その第一歩が、すでに大手自動車メーカーを対象に進めている下請法の運用強化による取引適正化となる」と述べた。
 3年7カ月に及んだ内閣官房副長官時代は国内外の危機管理を第一に、すべての分野に絡んで政権を支え続けた。その経験と実績から揺るがぬ自信がみなぎり、市民からは「大臣になってさらに貫録が出てきた」という声も聞かれた。