御坊市は本年度、「わがまち魅力再発見事業」の一環で、観光客誘致の中核となる寺内町をさらに情緒あふれる町並みにしようと、民家の軒下に「犬矢来(いぬやらい)」を設置する。竹製の緩やかなカーブになった垣根で、かつては表玄関横の軒下に取り付けられていたが、いまでは少なくなっている。町屋のシンボルの一つともいえ、風情のある町並みを復活させて、観光客増につなげていきたい考えだ。
犬矢来は、京都など古い町屋の表によく見られ、御坊の寺内町でも昔はよくあったという。文字通り、軒下に犬などが用を足すのを防ぐ役割があったとされ、ほかにも泥棒対策や馬が戸を蹴るのを防ぐ狙いがあったといわれている。町屋を象徴する景色の一つで、御坊市がまちの景観づくりに目をつけた。
わがまち魅力再発見事業は、まち・ひと・しごと総合戦略にも盛り込んでいる。本年度予算に約80万円を計上しており、事業は御坊商工会議所に委託する。竹を切り出すのは秋がいいとされており、伐採後に組み立てて、個別に設置を呼びかけていくことにしている。最近では、寺内町にオープンした土産物店「御坊天神堂」の表にも置かれており、観光客からは「風情がある」と好評だという。予算が限られているため、どれだけ設置できるかは分からないが、寺内町の旧家に犬矢来がずらりと並べば魅力が一層アップしそうだ。
市商工振興課では「地元に親しみ、愛着を持ってもらうことと、目でひきつける魅力の一つになると思う。ごぼう商工祭では家紋幕が寺内町の家々に飾られ、すごく風情があった。犬矢来も寺内町の魅力をさらに高めてくれると思う。観光客をもてなす気持ちもこもっています」と話している。

