平成28年度第3回市民教養講座は6日に御坊市民文化会館大ホールで開講。ジャーナリストの長谷川幸洋さんが「世界の情勢~日本の針路を考える~」と題して語った。
 長谷川さんは冒頭で「きょうは一人で『そこまで言って委員会』をやろうと思います」と笑わせ、舌鋒鋭く他の出演者の意見を批判しながら「まず日本がどうあるべきかと考えるのではなく、順番としては世界の情勢、特に東アジアがどうなっているのかをまずよく理解して、それから日本の対応を考えていくべき」とし、世界で注目を集める中国政府の南シナ海での動向について解説しながら「中国政府は他の国と違い『縄張りを広げる』という考えで動いている。原理の違う相手とは話しても分かり合えない。外交とは相手と話し合うことではなく、第三者と話して味方を増やしていくこと」と熱弁を振るった。南シナ海で9月に中国とロシアが大規模な合同軍事演習を予定していることにも触れ、「ここへアメリカが出ていく可能性もあり、9月の南シナ海は一触即発。歴史の転換点になるかもしれないとすら私は思っている」と懸念を表明。中国の南シナ海での動向への対応で最も現実的で有効なのは、「日米が合同で南シナ海をパトロールすること」と持論を展開した。「これまでは法の支配が世界の秩序を守ってきたが、残念ながら中国政府やテロリスト達は『力の支配』を実行しようとし、徐々に世界がそうなっている。世界の枠組みが音を立てて変わりつつある。そういう局面にあるということを知っておかねばならない」と訴えた。