由良町大引、白崎海洋公園の指定管理者となっている一般社団法人白崎観光プラットフォーム(中西剛史代表理事)は、同町特産の夏ミカンを使ったアイスとソフトクリームを商品化し、爆発的な売れ行きとなっている。夏ミカンの粒々の食感を残し、爽やかな後味に仕上げたのが人気の秘密。商品にできない規格外の地元農産物を有効活用するのが開発のきっかけで、地場産業の振興に一役買っている。
 中西代表(38)らは、白崎海洋公園で行っている軽トラ市の連絡協議会の立ち上げにも携わったが、メンバーの地元農家と交流を深めていくうちに、「売りに出せない地元の農産物を加工して、何とか有効活用できないか」と思い立った。同協議会の役員が夏ミカンを栽培していたことから、話がとんとん拍子に進み、ことし2月に400㌔分を購入。通常はジュース用などに1㌔10円の値段となるが、倍の20円で取引。アイスとソフトクリームの開発は広川町の業者と共同で進め、プラットフォームのスタッフらが試食を重ねて、「甘すぎず、すっきりとした口当たり」にこだわり、ことし4月に商品が完成した。
 商品名は「あまなつソフトクリーム」などとなっており、カップアイス(350円)は550個製造し、すでに完売。ソフトクリーム(400円)は3000個作って残り600個しかなく、現在、白崎海洋公園パークセンターで販売中。リピーター客も多く、近くインターネットの大手旅行サイトでも紹介することから、スタッフは「ソフトクリームのシーズンとなる真夏まで在庫が持たないかもしれないので、販売を制限しようかとも考えています」とうれしい悲鳴も。
 滋賀県出身でいまは由良町が大好きだと公言する中西代表は「商品にできないような農産物でも味は同じ。アイスとソフトは、来年もっと増産します。クッキーなど別の加工品も開発していければ」と、地域資源の有効活用に意欲的。また、温州ミカンや変わり種でワカメのソフトクリーム開発などのアイデアも膨らませている。