田辺市文里の丸長食品加工㈱(柴田善夫社長)は沖縄県では一般的な食材として家庭料理に使われている海ぶどうの養殖に成功し、近く、同市内のAコープなどで販売を開始する。海藻の一種で、ぶどうのような房の実はかめばプチプチッとはじけ、「海のキャビア」として「グリーンキャビア」とも呼ばれる。沖縄以外での販売は三重県に次いで2例目となる。
海ぶどうはイワズタ科イワズタ属に属する海藻で、正式名は「クビレズタ(括れ蔦)」。沖縄や南西諸島の亜熱帯地方沿岸の比較的浅い砂底地に生えていて、形が果物のぶどうに似ていることから、「海ぶどう」と名づけられた。低カロリーながら食物繊維やビタミン、カルシウム、鉄分が豊富で、特に女性に人気があり、産地沖縄県民の長寿を支える食材として親しまれているという。
 丸長食品加工はおととしから海ぶどうの養殖を始め、試行錯誤の結果、待望の初出荷のめどが立った。これまでは一部料理店などに直接卸売りしていたため、一般消費者はなかなか手に入らなかったが、今後はスーパーで販売するため、紀南の家庭の食卓にも登場しそうだ。
 海ぶどうは生で食べるのが基本で、商品化に向けて衛生面には細心の注意を払い、炭酸ガスと紫外線を照射した塩水で洗浄する二段階殺菌。柴田社長は「養殖を始めた当初はそんなに難しくはないと思っていたが、温度管理が非常に難しく、2年の歳月を費やしようやく出荷できるようになりました。和歌山県では一般にあまり食べる機会はありませんが、ぜひご家庭で、この独特の食感の海ぶどうをお楽しみください」と話している。
 温度管理の問題から、田辺では今月下旬から九月末までの限定販売となる。詳しい問い合わせは丸長食品加工℡0739―23―5570。