会社や上司が、部下に仕事でよい結果を出させるためには何をすればよいか。すぐに思いつくのはお金、それに対するノルマを課すという方法。あとは好成績を残せば昇格させたりと、ニンジンを目の前にぶら下げるようなやり方が一般的に多いだろう。あれこれ難しい方法を考えなくても「スイッチ」が背中にあって、簡単にオン、オフを切り替えられる。そんなふうにみんなのやる気を自由自在にコントロール可能になれば、あっという間に業績が上がる会社も出てくると思う。
 働く人のやる気を引き出し、成功したことで有名なのが新幹線の車両清掃の専門会社。なかなか働く人の士気を上げられない、それで離職率も高い会社だったというが、近年はハーバードのビジネススクールや海外のマスコミでも取り上げられ、「奇跡の職場」と絶賛されるようになった。
 お金やノルマなど、ありきたりの方法で問題を解決したわけではない。例えば、社員の制服を格好のいいものに変更し、社員のよい行動を報告させる制度を導入。乗客から注目され、社員同士が褒め合う、新しい提案なども行える環境を整えた。「清掃業」から「サービス業」へ。「汚い、しんどい」を、お客さんに喜んでもらえる「おもてなし」という、やりがいのある仕事に思えるように意識改革し、社員の気持ちと仕事ぶりを変えることに成功したとされる。
 いくら技術的に優れていても、やる気がなければ、物事の達成、実現は叶わない。人が行動を起こす第一歩が「やる気」。社員の士気、やる気がどの程度なのか、それを把握すらできていない組織は論外であり、まずはトップや上司の「やる気」が問われるのは、いうまでもない。   (賀)