日高町語り部の会が提唱して進めている原谷地内熊野古道沿いでのササユリ復活プロジェクトは、ことし4月ごろから出始めたササユリの新芽がシカの食害で大打撃を受けたのは既報の通り。多くのボランティアや子どもたちが球根の植栽に協力し、今月中の開花を心待ちにしていただけに、関係者も大きなショックを受けている。
 獣害と言えば、農業でもイノシシ、シカ、サルなどの食害が問題となっており、おりを仕掛けたり、田畑を電気柵で囲ったり、猟友会に依頼して駆除してもらったりとさまざまな対策を行っている。最新の対策では、リアルタイムで映像を見て、おりに獣が入った瞬間に扉を閉めるといった方法もある。この農業分野での獣害は長年続く問題だが、いまだ被害がゼロというわけにはいかず、獣と人との〝イタチごっこ〟になっている。
 言い方に配慮が足りないかもしれないが、そんな難しい獣害対策だから、1年目のササユリプロジェクトでの対策がうまくいかなかったのは、仕方のないこと。今回、ワイヤーメッシュをかぶせて獣害の侵入を防ぐ方法では甘かったわけで、それが分かっただけでも大きな収穫。当初からササユリの復活は5年をめどに行っていくという計画だったので、ここはじっくり次回の対策を考えていけばいいと思う。その中でやはり猟友会など専門家の意見も参考にすべきだろう。
 失敗は成功のもと。これをきっかけにより一層、多くの人がササユリの復活に関心を持ち、協力してくれることに期待。12日にはささやかながら予定通り現地でササユリ祭りも催すので、一層の機運盛り上げの機会になればと願う。(吉)