記者として日高川町の担当になり約1年がたった。町では移住に力を入れているだけあって、移住者が多く、そういった人たちを取材する機会も多い。その中で感じるのは移住者のモチベーションの高さだ。
 東京出身で川原河に住んでいる女性は、築115年の古民家を改修して草木染め工房をオープンした。周辺の山などで集めた季節の草木を釜で煮出し、衣類やハンカチを染める。商品を販売するだけでなく、定期的にイベントも開催。仲間やフェイスブックなどのSNSを通じた友人、地域住民らが参加し、交流を深める。なかなか個人ではできないことだろう。
 また宝塚出身で高津尾に住んでいる男性は趣味の木工技術を生かし、体験や民泊を提供するゆめ倶楽部21のメンバーとして活躍。ほたる祭りの復活を目指す寒川地内でもIターン者らがメンバーとなる実行委員会が新たなイベント寒川ワンダフルナイトへの取り組みを進めている。このイベントには移住者ではないが都市から来ている地域おこし協力隊も活躍している。このほか店舗の経営や団体の運営など多くの移住者が地域の一員として活躍している。
 移住と一言でいっても様々なケースがある。仕事の都合や引退後の余生を過ごす場所、それに加え何らかの志を持ってくる人もいる。もちろん地元住民も地域おこしへ積極的に取り組みを行っている。ただ取材を通じて移住者には、外から来たからこそわかる「地域の魅力」に気付くことができる強みがあると感じる。さらに特別なスキルや新しい発想もある。移住者が地域に吹かせる新しい風。地元住民と一緒になって地域活性につながることを期待したい。(城)