美浜町吉原出身で、横浜を拠点に活動しているジャズギタリストのHiro Yamanakaこと、山中弘行さん(58)がジャズギターの教則本「スムース・ジャズ・ギター・スタイルブック」を出版した。スムース・ジャズはサックス奏者、グローヴァー・ワシントンJrがつくった音楽が起源の一つとされ、山中さんはジャンルを代表するギタリスト10人のプレイスタイルの解析やテクニックを紹介。有名な定番曲をスムース・ジャズにアレンジした楽譜も収載している。
 山中さんは、10歳の誕生日に母親からギターをプレゼントされ、クラシック演奏を独学で勉強。7歳上の姉の影響で洋楽を聴くうち、ダイナ・ワシントンやサラ・ヴォーンらに魅せられ、ジャズ音楽の世界に傾倒した。日高高校から横浜の大学に進んでからは、日本を代表するギタリスト、渡辺香津美に〝追っかけ師事〟。卒業後は大手国際物流企業に就職し、平成15年で退職後はプロのギタリストを志し、17年から本格的にプロとして活動をスタートさせ、現在は全国ツアーと並行して横浜を中心にライブ等を行っている。
 今回の教則本は大手の㈱ヤマハミュージックメディアが発行元で、リー・リトナー、ラリー・カールトンらスムース・ジャズをけん引する10人のギタリストの代表的な奏法を紹介。山中さんはギタリストでありながら、音楽ライターとしての実績もあり、独自の視点でそれぞれのプレイスタイルやテクニックを紹介している。
 ほか、スムース・ジャズ演奏上達のステップとして、オクターブ奏法やチョーキング、使える小技など表現力をブラッシュアップするテクニックを披露。また、『大きな古時計』『ザ・マン・アイ・ラブ』の定番2曲をスムース・ジャズの手法でアレンジした楽譜も掲載している。
 山中さんはまえがきとして、「ギタリストにとってスムース・ジャズは、ソロ、オブリガート、コンピングなど多岐にわたるテクニックや多彩な音楽性の宝庫であり、それらのアイデアを自らの演奏に取り入れることでギターの表現力は大幅に向上します。本書が読者のステップアップの一助となれば幸いです」と記している。
 教則本は税込み2160円。御坊市の岡定楽器ほか全国有名書店、アマゾンなどで購入できる。
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スムース・ジャズを代表するギタリスト10人のテクニックを紹介
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ジャズギタリストの山中さん