5月15日告示、22日投開票の御坊市長選へ向け、一騎打ちが濃厚の現職柏木征夫氏(75)=御坊市薗=と新人の二階俊樹氏(50)=御坊市島=が1日までに、それぞれ公約を発表した。柏木氏は「市民にスポットを当てる」、二階氏は「住民の声に耳を傾ける」と、互いに住民目線の行政運営を強調。子育てや防災対策など具体的な施策を盛り込んでおり、住民に政策を訴えていく。
 1日に記者会見した柏木市長は「しがらみのない堅実で誠実な市政運営」をキャッチフレーズに、「安心して子どもを産み育て、年を重ねることのできる安全なまちづくり」を目指すと力を込めた。人が集いにぎわいが生まれるまち、いきいきと笑顔で暮らせるまち、安全で安心できるまち、オール御坊のまちづくり――の4項目を柱に、人口減少に歯止めをかけ、きめ細かな介護予防や健康づくりを推進し、災害に強く住民がアイデアやパワーを発揮できる仕組みづくりを進めていくとしている。
 具体的には35の項目を掲げ、子ども医療費無料化の対象年齢を拡大、小中学校の教室に冷暖房設置、日高港のポートセールス、地域見守りネットワークの構築、地域別の避難マニュアルの策定支援や防災訓練で幼児から大人まで防災意識を高める取り組みの推進を明記。これまで徹底してきた行財政改革については今後もさらに進め、市民サービスの低下を招かないよう効率的な運営をするとし、「重ねてきた実績や経験を生かしながら行財政改革の手を緩めず、信条としている『ぶれない、偏らない、いばらない』のもと、市民の期待と信頼に応えられるよう身を賭して頑張る」とアピールした。
 二階氏は「元気あふれる御坊市」をキャッチフレーズに「人、雇用、優しさ、防災」が4本柱。人口減少を食い止めて人口増加への挑戦、新たに誘致する産業だけでなく既存の産業を大切にして雇用や豊かさのアップ、お年寄り、障害者、子どもを大切にして互いに感謝し励まし合う優しいまちづくり、地震津波・風水害などから市民の命を守りソフト的な防災力強化で強い御坊市を目指す。
 具体的な施策として、子ども医療費の無料化年齢引き上げなど他市町に負けない政策の充実、各施策実現には市民の共感と理解が必要との観点から町内会単位のミニ対話集会の開催などを掲げる。また、防災コーディネーターとしての経験を生かし、防災以外でも組織と組織をつなぐ調整役となって強い御坊市の実現、御坊市単体ではなく周辺市町村や県内外の自治体との連携、県や国の交付金を活用した効率的な財政運営などを盛り込んだ。「子どもを大切にするまちを内外にアピールして若者を招き入れ、人口減対策、経済発展、福祉の充実に全力投球する。若さの二階だからできることとしてこれまで以上に現場主義を実践し、貴重な声をいただき行政に反映していきたい」と力を込めている。