文部科学省が、将来国際的に活躍できるグローバルリーダー育成を目指して研究開発を行う高校等を指定する平成28年度「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に、県内で初めて日高高校が選ばれた。アジア高校生フォーラム、OECDイノベーションスクールなどの取り組みが評価され、全国の名門校の中に名を連ねた。28年度から5年間、「文化」「移民」「産業」「防災」の4つをテーマに、深く学んで世界への発信を目指す。
 グローバル化が加速する中、社会課題に対する関心と教養、コミュニケーション能力、問題解決能力などを身に付け、将来国際的に活躍できるグローバルリーダーを高等教育段階から育成しようと26年度から実施。指定期間は5年間で、約1000万円の予算が割り当てられる。26年度は56校、27年度も56校を指定。指定を受けている学校は東京のお茶の水女子大附属や大阪の北野、三国丘、京都の堀川などの名門が多数含まれている。
 本年度は114校の公募の中から国立1校、公立8校、私立2校を選定。昨年に続き2回目の応募になる日高高校は、平成26年10月の創立100周年記念アジア高校生フォーラムの主催、15年後の地域課題解決を目指すOECD地方創生イノベーションスクール2030への参加、普段からのデンマークや中国との交流、地域の1600人が参加する合同避難訓練の実施などが評価され、選ばれた。
 指定を受けた学校は各校の特色を生かした構想を示しており、日高高の構想名は「翔べ 日高から 世界へ 地方創生するグローバルリーダーの育成」。具体的には道成寺や日高別院などの「文化」、アメリカ村の「移民」、日高から世界で活躍している企業などの「産業」、稲むらの火などの「防災」を4テーマに取り組む。
 生徒は基本的に全員が参加。1年目は総合学習の時間を活用し週に1時間設け、全員が4つのテーマを学習。2年目は4つのテーマから1つを選んで週に2時間学び、3年目で学んだ内容の英語化などを行い、英語でのプレゼンを目指す。また日高の企業が進出しているアジアや移民を学ぶカナダなどへの訪問学習も計画している。
 上田校長は「指定を受けたことで、日高高校がこれまで取り組んできたことが間違いでないと証明された。4つのテーマに生徒全員が地域と密着して取り組み、日高をよく知り愛し、世界に発信していきたい」と話している。