昨年12月15日に自然と共生した梅栽培の「みなべ・田辺の梅システム」が世界農業遺産に登録された。薪炭林を残しつつ、梅の受粉にはミツバチを活用するという昔から行われてきた栽培が世界から認められた形。以後、3カ月が経過したが、登録だけで終わらせてしまう訳にはいかない。今後、どう生かすかが大きなポイントだ。
 25日には活用方法などを考えるフォーラムがみなべ町山内の紀州南部ロイヤルホテルで開かれた。国際連合大学の武内和彦上級副学長、㈱ジャパンインバウンドソリューションズの中村好明社長らが講演で活用方法をアドバイス。フォーラムでは地元の梅加工業者、日本で観光関係の仕事を行っている外国人ら4人も提言した。専門の分野でのそれぞれの見方は異なるが、「地域が1つになって連携し、国内外にアピールすることが成功につながる」という共通点があったように感じられた。
 世界農業遺産を生かした活性化では梅の消費拡大以外に観光面などもある。寿司、ラーメン、日本酒など日本の食べ物が世界で注目されている今、世界が梅を認めたという事実は大きな武器になることは間違いない。梅関連商品が世界に打って出る大きなチャンスでもある。加えて、日本を訪れる外国人観光客が年々増えており、昨年は約2000万人となった。すでに世界遺産に登録された熊野古道が近くにあることも大きな強みで、訪れている大勢の外国人に直接アピールできる環境にもある。
 物事を成し遂げるには1人の力だけでは成功しない。大事業になればなるほど、大勢の協力者が必要となる。いま、梅産地の知恵と努力を結集する時である。(雄)