今夏のリオデジャネイロパラリンピックに向け、スポーツ庁が公募していた陸上競技のナショナルトレーニングセンター(NTC)に、田辺市の田辺スポーツパーク陸上競技場が指定された。フィールドが人工芝で年中利用でき、障害者スポーツ医科学の分野で豊富な実績を持つ県立医科大がサポートすることなどが決め手になった。パラリンピック競技単独のNTCとしては国内初の指定。
 NTCは東京に中核拠点施設があり、そこでは対応が難しい冬季種目や海洋・水辺系、屋外系オリンピック競技、高地トレーニング、パラリンピック競技について、全国にある既存の競技施設・トレーニング施設をNTC競技別強化拠点施設として指定。田辺スポーツパーク陸上競技場はおととし11月に完成したばかりの新しい施設で、昨年の紀の国わかやま国体では少年のサッカー競技の会場となり、今回のパラリンピック陸上競技NTCの公募に設置者の田辺市が応募していた。
 県教育委員会スポーツ課によると、パラリンピック陸上競技のNTCに指定されるには、▽ナイター照明設備がある▽フィットネストレーニング施設がある▽障害者の投てき競技の器具が整っている――など5つの要件があり、田辺スポーツパークはすべてクリア。そのうえ、「フィールドが天然芝ではなく人工芝のため年中利用できる点や県立医科大が選手のメディカルチェック等をサポートすること、高速ICから5分という選手らの移動負担の軽さも高評価につながったのでは」という。
 9月7日から始まるリオパラリンピックに向け、田辺で練習を行うのは、一般社団法人日本パラ陸上競技連盟、特定非営利活動法人日本知的障害者陸上競技連盟、特定非営利活動法人日本盲人マラソン協会に加入する国内トップアスリートとジュニア競技選手。今後、NTCとしての国との契約を済ませ、選手たちのトレーニングは5月の連休明けぐらいになるとみられている。
 県教委スポーツ課はNTC指定により期待される効果として、「田辺スポーツパークの優れたトレーニング環境を国内外に広くアピールでき、県内の競技者や指導者がトップレベルのトレーニングメニューや指導方法を学べる。また、パラリンピック出場選手による子ども向けの教室を開催できれば、障害者スポーツに対する県民の理解も深まる」などと話している。