ことしは3月に入ってもインフルエンザが流行しているせいか、予防用のマスクを着用している人を多く見かける。加えてスギ花粉が拡散する時期でもあり、花粉症の人にとってはマスクは欠かせない必需アイテムかもしれない。しかし、最近ではマスク本来の目的以外に着用するという「だてマスク」の人も多いらしい
だて眼鏡と同じような意味で、最近になって使われ始めた言葉だ。防寒、ノーメイクの素顔隠しなどを目的とするほか、「顔を隠すと落ち着く」という意見もあるという。最近では男女を問わずだてマスクの人が多くなっているようだ。マスクの種類も多様化し、先日ドラックストアに行くと、顔にフィットするタイプなどさまざまなタイプの商品が並んでいた。中には美人に見せるマスクもあるらしい
しかし、マスクを着用していることが弊害になることもあるのではないだろうか。先日、道を歩いていると、筆者に向かって頭を下げてくれる人がいたが、大き目のマスクで顔を覆っていたのでどこの誰だかさっぱり分からない。一応、無視するのは無礼かと思い、こちらも頭だけ下げておいたのだが、ちょっともやもやした気分になった。他の時では、初対面の人と言葉を少し交わす機会があったが、この人もマスク姿だった。こちらとしては初めて会う人だったので顔は覚えておきたかったのだが、口元を隠された顔しか見れず、今度会うことがあっても誰か分からないだろう
風邪気味でせきやくしゃみがあるにもかかわらずマスクを着用していないのは無礼。しかし、表情は言葉と同じように相手に気持ちを伝える手段の1つ。ビジネスやコミュニケーションなどの場ではだてマスクを外すことをお勧めしたい。(雄)