春の火災予防運動期間中の6日朝、御坊市島の製材所や運輸会社で火災があり、消防と警察が出動。火は強い風にあおられて周囲に燃え広がり、懸命な消火活動で約5時間半後に消し止めたが、製材所の倉庫が全焼したほか、置かれていた木材やトラックの荷台が焼けた。周辺には野次馬が殺到し、現場は一時騒然。幸いけが人はなかった。御坊署が火元や出火原因を調べている。
 現場は御坊大橋西詰から北約200㍍の堤防道路東側、日高川右岸の「木工団地」にある宮路製材所(宮路雅仁さん経営)で、御坊署等によると、同日午前10時15分ごろ、現場近くの会社に勤務する男性が宮路製材所の倉庫付近が燃えているのを見つけ119番通報。市消防隊と市消防団が駆けつけた。警察を含めて計約30台、約100人が出動して消火活動を展開。火は強い風で燃え広がり、出火から約4時間半後の午後2時44分、ようやく鎮圧状態となり、3時42分に鎮火した。
 この火事で宮路製材所のプレハブ倉庫約1980平方㍍が全焼したほか、鉄骨トタン張りの倉庫が焼け、倉庫付近の敷地に保管されていた木材200本以上が焼損。さらに隣接する昌榮運輸(藤本政美さん経営)で駐車していたトラック3台の荷台が燃えた。
 出火当時、県北部には強風注意報が発令されており、炎の広がりとともに黒い煙がもうもうと上がるなか、現場では消防隊が高所からも放水を実施。会社関係者がトラックや無事な木材を運び出す姿が見られた。現場周辺でも多くの地域住民らが集まり騒然。風下の堤防道路西側にある宅地の住民らは不安そうに見つめていた。
 近くに会社があるという50代の男性は「煙が見えたので飛んできました。こんな大きな火事は初めてで怖いですね」。近くに住む60代女性は「臭いがして見てみると、真っ黒な煙と炎が上がっていてびっくり。道を隔てているといっても、心配でいても立ってもいられませんでした。こんなの初めて」と表情をこわばらせていた。
 御坊署では7日に実況見分を実施。詳しい原因を調べている。