11月5日が「世界津波の日」に制定されたことを記念した講演会と稲むら太鼓(県と広川町主催)が26日、県民文化会館で開催され、一般住民ら約2000人が来場。第1部では関西大学社会安全学部の河田惠昭教授が講演し、11月第1週を津波防災ウイークとした啓発イベントの開催や濱口梧陵国際賞の創設を提案し、「津波防災を和歌山から世界に発信しよう」と呼びかけた。 
 河田教授は「南海地震は必ず起こる。昭和21年の南海地震はマグニチュード(M)8だったが、南海トラフの巨大地震はM9でエネルギーは32倍、とんでもない津波がくるんです。他人事ではないんですよ」と冒頭から危機意識を高める必要性を訴えた。濱口梧陵については世界津波の日の原点となった1854年の安政南海地震で津波から人々を守り、堤防工事に村人を雇って生活再建に貢献したこと、さらに建設した堤防で昭和南海地震の津波から村を守ったことを説明し、「野口英世や新渡戸稲造ら日本を代表する偉人に匹敵する人」と述べた。
 また、巨大地震が国家に与えるダメージについて、1755年にポルトガルのリスボンで死者8万人を出したリスボン地震を例に挙げ、「当時はスペインとポルトガルが世界を二分するほどの勢いだったが、リスボン地震で国力が落ち、代わりにフランスが台頭、のちのフランス革命につながった。南海トラフの巨大地震で日本の危機にならぬよう、和歌山では津波で一人も犠牲にならないよう取り組むことが重要」などと、防災対策は国の重要な課題だと強調した。
 最後に世界津波の日の制定をきっかけに和歌山が世界の防災対策をリードしていこうとし、「11月5日の一日だけではなく、第1週を津波防災ウイークとして津波や高潮に襲われている国で国際イベントを開催したり、濱口梧陵国際賞を創り、津波で大きな被害を出した日本やインドネシア、チリ、ポルトガルなど各国持ち回りで表彰式をしてはどうか。国内では、南海トラフで津波被害が予想される東海から九州沿岸の9県が連携して11月5日に啓発イベントをするのもいい」と提案。「他人事ではなく自分たちがやる、きょうのイベントがそのきっかけになれば濱口梧陵も喜ぶと思う。そしてきょうをきっかけに世界に津波防災を発信していこう」と呼びかけた。