県は25日、平成27年国勢調査の速報値を発表した。県内30市町村のうち、日高町の人口は7641人(男3617、女4024)で、22年の前回調査に比べて209人(2・81%)の増となっており、増加率は県内トップ。また、平成7年の調査から5回連続の増加ともなっている。住みやすい環境や安い地価などで若者世帯の移住が進んでいるのが要因とみられ、町では「税収増やまちの活性化にもつながる」と大歓迎だ。
 日高町の人口は昭和35年がピークの8177人で、以後減少傾向をたどって平成2年には過去最低の6862人まで落ち込んだが、その後増加に転じて7年は6926人、12年は7148人、17年は7344人、22年は7432人、27年は7641人と右肩上がり。これに伴い世帯数も増加しており、27年では2783戸で前回比135戸(5・1%)増。町によると、人口増加の要因について▽地価が安い▽地籍調査と下水道整備が完了▽比較的津波の被害が少ない▽高校生まで医療費無料化や子育て支援センター、学童保育の開設など子育て施策の充実――を挙げており、子育て世帯を中心に周辺市町からの移住が多いという。人口増に伴い、地方交付税や固定資産税、住民税などの税収アップにつながる。地方創生で人口の減少抑制や維持が大きな課題ともなっている中、同町にとってはありがたい話。
 今回の国勢調査で、人口が増加したのは日高はじめ岩出(増加率1・12%)、上富田(1・21%)の3市町だけ。前回調査では岩出市の増加率が県内トップだったが、今回日高町が逆転した。日高地方の他市町は軒並み減少しており、御坊市2万4803人(前回比5・01%減)、美浜町7482人(7・37%減)、由良町5839人(10・28%減)、印南町8067人(6・26%減)、みなべ町1万2741人(5・41%減)、日高川町9780人(6・94%減)。県全体の人口は96万3850人で、前回比3万8348人(3・83%)の減少。昭和25年の調査以来、65年ぶりに100万人を割り込む結果となった。人口の減少率が高かったのは、高野町(15・90%)、すさみ町(12・68%)、九度山町(11・67%)だった。
 国勢調査は5年に1度行っており、27年度の確定値は、ことし10月に公表される。