安全・安心な日高地方の実現に向けた防犯活動の強化へ御坊署は23日、日高町荊木のJA紀州日高支店(山名敏之支店長)で強盗訓練を行った。
 拳銃を持った男が現金を奪い、逃走する想定。犯人役の御坊署員が営業中の店内に押し入り、職員に拳銃を向けて「手を上げろ。金出せコラー」と迫真の演技で迫った。発砲しながら、かばんを差し出し、金を要求。「はよ入れえてよ。何してんのな、殺すぞ」と迫力満点に脅迫した。金を受け取ると、車で逃走。職員が追い、カラーボールに見立てたゴムボールを投げた。その後、駆けつけた署員に犯人の特徴を報告。手配から逮捕に至った犯人役を確認した。
 職員は本番さながらの緊張感を持ち、万が一への対応について学習。役員やほかの支店長らも見学した。保富速人署長は「実際はお客さんがおられるかもしれません。身体、生命の安全を第一に、逮捕に結びつく情報も大事になります。きょうできたこと、できなかったことを検証し、日ごろからシミュレーションするようにしてください」と講評。山名支店長は「想定外のことや緊張でマニュアル通りにできなかったことがありました。犯人の特徴についてもあいまいなところもありましたし、あらためて検証し、万が一の事態に対して防犯体制を整えたい」と話していた。