御坊市は、本年度から来年度にかけて、御坊小学校北校舎の耐震補強工事を行う。北校舎は特別教室があり、耐震完了後は1階に子育て支援のファミリーサポートセンターを開設するほか、現在南校舎の1クラスで行っている学童保育室を3クラスに増やす計画。屋外には避難階段も設置して屋上を住民の避難場所として活用することにしており、地域の防災、福祉機能も備えた校舎に生まれ変わる。
 同校では耐震補強が完了している南校舎に1年から6年の各教室がある。北校舎は鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積2124平方㍍。音楽室や工作室、調理室、図書室などの特別教室があり、28年度中に耐震を完了させ、29年度からはファミリーサポートセンターと学童保育をスタートさせる。このほど耐震工事の入札を行い、㈱谷口組(谷口光代表)が1億3570万円で落札した。
 ファミリーサポートセンターは、子育て世代の仕事と育児の両立を支援する拠点。例えば保育所への送迎、学校の放課後や学童保育終了後の子どもの預かり、保護者の病気や急用時、買い物などで外出する際に子どもを預かるなど、多様なニーズに対応していく。実際に送迎などを行う人は提供会員、依頼する側は依頼会員にそれぞれ登録。サポートセンターのアドバイザーが依頼を受け付け、提供会員とのマッチングを行う。提供会員は24時間の講習を受けなければ登録できない仕組みとなっており、料金設定など具体的なことは今後検討していく。
 学童保育は現在南校舎の1クラスで行っており、1~3年生約40人が利用しているが、国が示す対象年齢が小学6年まで引き上げられたのに対応するため、3クラスに増設。働く子育て世帯をサポートする。
 併せて津波避難場所にも活用。屋外階段を設け、約700平方㍍の広さがある屋上へ逃げられるようにする。屋上に多くの人が避難できるよう補強工事も行う。同小学校周辺の道路は一部拡幅されており、大規模地震津波時には住民が安全に避難できると期待されている。