美浜町三尾、日の岬パーク内にある故ヨハネス・クヌッセン機関長の胸像前で10日、機関長の命日に合わせた遺徳顕彰会(会長=森下誠史美浜町長)主催の慰霊献花の集いが開かれ、美浜、日高両町、関係機関などから約40人が参加した。
 ことしはフレディ・スヴェイネ在京デンマーク大使と、町内2小学校の児童代表として佐々木健太君(松原小6年)、米田友君(和田小6年)も献花に訪れた。最初に森下町長、松本秀司日高町長、スヴェイネ大使が花束を手向け、佐々木、米田両君ら参加者が順番に機関長が好きだったキンセンカを献花した。
 全員の献花終了後、スヴェイネ大使は「来年はクヌッセン機関長が亡くなられて60周年。もう一つ重要なのは、日本とデンマークの外交が始まって150周年になります。まず、日本とデンマークの関係が、クヌッセン機関長の勇敢な行動のおかげで築かれたことを喜ばしく思うとともに、それをさらにさらに深く、緊密な関係にしていきたい」とあいさつ。森下町長は「国境を超えた、国際愛あふれる、人間愛あふれる実話。この遺徳をずっとずっと後世に伝えていきたい」と誓いを新たにした。
 「学校にクヌッセン機関長の本があるので、機関長のことは知っていた」という米田君は献花に際し、「これからも機関長の行動、思いを大事にしていきたい」と話していた。
 デンマーク人のクヌッセン機関長は昭和32年2月10日、日ノ御埼沖で火災を起こした日本の木材運搬船を発見。悪天候のなか救助に当たり、海に落ちた船長を助けるため飛び込んだところ、荒波にのまれて亡くなった。両町では海の勇者の遺徳顕彰に努めるさまざまな活動が行われており、献花の集いもその一つ。