県道御坊湯浅線で由良町門前から衣奈までを結ぶ「衣奈トンネル」の開通を祝う会が7日に現地と旧衣奈中学校体育館で開かれ、町、県、地元住民ら約500人が参加した。テープカットや餅まきなどで盛大に祝い、主催者の畑中雅央町長や来賓の仁坂吉伸知事らは「命の道、希望の道として町の発展に役立つと確信している」などと、期待を込めた。
衣奈トンネルの現地では、最初にゆらこども園の園児が「大きな古時計」で太鼓、鉄琴、トライアングルなどの演奏を披露。衣奈小学校6年生で児童会会長の洲﨑一誠君が「旧トンネルは暗くてじめじめして、怖くて嫌でした。新しいトンネルで安全で快適になり、とてもうれしいです」とお礼の言葉。このあと、畑中町長、仁坂知事、鶴保庸介参議院議員、冨安民浩・坂本登両県議、玉置一郎町議会議長のテープカットと同時に園児や児童の風船飛ばしと地元関係者らのくす玉割りも行われた。
 会場を旧衣奈中学校体育館に移してから、まず畑中町長が「この路線は、生活道路、産業、観光、そして緊急時の輸送など、町の幹線道路となる。旧トンネルは交通の難所で、新トンネルの開通は衣奈住民の長年の悲願。利便性と安全性が向上する」と式辞。仁坂知事は「私が知事になって初当選した時に、このトンネルの話を聞いていたが、その宿題が果たせた。国道42号から新トンネルを通り、衣奈、白崎、由良地区から再び国道42号へという、町内をぐるっと回れる〝芯〟ができた。うまく生かして町の発展を」と祝辞を述べた。畑中町長からトンネルの銘板に揮毫(きごう)したいずれも由良中学校1年生の数見陸斗君と市川美海さんに感謝状も贈呈され、玉置議長が万歳三唱を行った。最後に運動場では、多くの地元住民が詰め掛ける中、町とふるさと協定を締結している摂南大学(大阪府寝屋川市)の寄贈分も含めて7・5俵分の餅まきもあった。
 祝う会には二階俊博代議士も出席を予定していたが、この日朝、北朝鮮のミサイル発射に伴い、急きょ上京した。新衣奈トンネルは延長484㍍、幅員6・5㍍の2車線。取り付け道路を含め全体事業費は12億6000万円、うちトンネル部分は8億4000万円