2選を目指す日裏勝己候補(65)=皆瀬川=と元町職員の湯川和幸候補(58)=印南原=の現新一騎打ちとなった印南町長選。両候補が掲げる公約には共通項が多く、「争点がない」といわれる。そんななか、まちのリーダーにはどんな人がふさわしく、町民は何を一番期待するのか。有権者50人に「理想の町長像」「望む政策」を聞いた。
 調査は対面と電話で行い、29日から1日までの日程で実施。「理想の町長像」のトップは「誠実な人」で約3割の17人が答えた。2位は僅差で「実行力がある」の15人。両方で6割を超え、まちのリーダーには「私利私欲を交えず真心を持って町政に当たり、そのうえで公約を実現できる」という資質が求められているようだ。3位以下は少数意見で「真面目」「行動力」が3人ずつ。「公平」「町民目線」「行政に精通している」がそれぞれ2人となり、「優しい」「町民思い」「情熱がある」「バランス感覚」「将来のビジョン」「ノーサイドの精神」が各1人だった。
 「望む政策」では「働くところの確保」(2人)、「企業誘致」(4人)を含めた「雇用の拡大」が14人でトップ。次いで「子育て支援の充実」が11人。3位が「高齢者福祉の向上」で9人だった。以下は「農業振興」が7人で続き、「防災」「社会教育の充実」「過疎対策」が各2人。各1人の意見では「若者定住」「鳥獣害対策」「商工業の振興」があった。「雇用の拡大」では「働く場所が増えると人や近くに買い物したりする店も増えるはず」(印南、40代主婦)、「若い人が帰ってこれる」(真妻、70代農業男性)という町の活性化を願う声が聞かれ、「子育て支援の充実」では「子どもをもう一人ほしいと思っている人の背中を押すような経済的な補助があれば」(印南、30代会社員男性)、「高齢者福祉の向上」では「子育てと言って若い人だけに目を向けず高齢者も住みよい町に」(切目、60代主婦)。このほか、少数意見のなかには「防災」で「津波ばかりでなく土砂災害の対策も」(切目川、30代会社員女性)、「社会教育の充実」で「交流や憩いの場のような図書館がほしい」(稲原、40代会社員女性)という具体的な要望もあった。
 50人の内訳は印南15人、稲原12人、切目11人、切目川7人、真妻5人で、年代別に20代6人、30代11人、40代10人、50代5人、60代7人、70代8人、80代3人。性別は男性22人、女性28人。
 期日前投票がスタート 印南町長選の期日前投票が3日、役場1階相談室で始まった。6日まで。時間は午前8時半から午後5時までで、初日は正午までに130人が投票した。