都会の雑居ビルにあるとあるダビング店。8㍉フィルムやVHSの映像、カセットテープなどの音楽をDVDにコピーする代行業で、土日になれば客が引きも切らない。一日平均200本の依頼があり、完成品の受け渡しは1週間後になるという。
ほとんどは、いまでは再生機がほぼ絶滅したVHSからのダビング。内容はわが子の幼いころの誕生日、運動会、発表会などをホームビデオで撮影した映像が多いそうで、自分が若いころ、ガムシャラに頑張っていたバンドのライブ、演劇、格闘技の試合なども。
10年、20年、30年という時間が過ぎ去り、アナログの映像や音声はどうしても多少の劣化がある。しかし、DVDでよみがえった昔の自分や家族、仲間たちの映像を見ると、いつのまにか失くしていた夢への情熱、家族や友人の愛情を思い出し、「頑張らねば」と力を得られるという。
過去の自分との再会という意味において、8㍉やVHSの懐かしい映像は同窓会のようなもの。長年、見ることのなかった映像がよみがえることで、「あのころ」にタイムスリップし、酒を酌み交わさずとも、同窓会と同じような効果がもたらされる。
日高新報のマイしんぶんも、2次元の活字媒体ながら、結婚や子どもの誕生、定年退職、還暦、米寿など人生の節目や出来事に際し、写真とともに懐かしい思い出、いまの喜び、将来の夢などを聞いて作らせていただいている。本人と家族、友人にとっては一般の記事よりはるかに大きな喜びがあふれ、輝きが放たれる。
いま、傘寿記念のマイしんぶんを制作中。取材を通じてその方の人生を疑似体験させていただきながら、年末の忙しさのなか心癒され、こっそりエネルギーをいただいている。 (静)

