御坊市湯川町出身で東京でイラストレーターとして活躍している中川貴雄さん(36)の作品が、光村図書出版の小学1年と2年の国語の教科書の挿絵に採用されている。教科書は中川さんの母校である湯川小学校(山本尚校長)でも使われており、「やりたかった教科書の仕事ができ、母校で使われているのはうれしい」と感激。山本校長も「偉大な先輩を子ども達に教えたい」と不思議な縁に笑顔を見せている。
 物心つく前から絵を描くのが好きだったが、学生時代は将来の職業とは考えておらず、湯川小、湯川中、御坊商工(現紀央館)を卒業後は大工の見習いなどを経験。19歳から3年間はフリーターで、当時働いていたコンビニで新商品を説明する絵を描いていたとき、オーナーから「大阪に専門学校があるから見に行ってみたら」とアドバイスをもらい、体験入学で「こんな楽しいことがあるんだ」と感じたのがこの道に進んだきっかけ。2004年3月に大阪デザイナー専門学校イラストレーション学科を卒業し、翌2005年同校ビジュアルデザイン研究科を修了。居酒屋でバイトしながらひたすら絵を描くなど実力をつけてきた。2009年に発足した関西にゆかりのあるイラストレーターでつくるユニット「なりゆきサーカス」にも参加。個展やグループ展を精力的に開催し、これまで雑誌の挿絵、CDジャケット、ブックカバー、絵本、カレンダー、映画のエンドロールなどさまざまな分野で活躍している。
 教科書に採用された挿絵は、1年、2年用とも「もくじ」の見開き部分で、子供や動物たちが楽しそうに行進している姿が独特のタッチで描かれている。「絵を描くときは、見た人がふっと笑えて肩の力が抜けるような作品をつくりたいと思っています」とし、「いつか教科書の仕事がしたいと思っていましたし、母校でも使われているのは感慨深いです」。最近は海外から仕事の依頼が増えてきており、「もっといろんな仕事をして、いつかディズニーランドのようなテーマパークができてしまうほどの作家になりたい」と大きな夢を抱き、日高地方のファンに「これからもたくさんの人に見てもらえるように頑張りますので、温かく見守ってもらえるとうれしいです」と話している。
 湯川小の山本校長は、「湯川小出身者の作品とは知りませんでした。いつか学校に来ていただき、子どもたちに話をしてもらえる機会があればうれしい」と話している。