一般人でも芸能人でも、年齢を聞いてびっくりするほど健康的で若々しい人がいる。遺伝的なものもあるだろうが、日ごろの心構えや食事、運動など、それぞれに健康や若さを保つ秘訣があるようだ。
 〝ニュースの職人〟と呼ばれる鳥越俊太郎さんも、がんの闘病生活を経て75歳の年齢にもかかわらず、髪の毛はふさふさ、肌はツヤツヤ。先日、由良町企業メセナ協議会の講演会で講師を務めたときも、75歳には見えない〝活力〟を感じた。そんな鳥越さんは「前向きで若さを保つ秘訣」を紹介。自身の3つの信条として①努力をしない②いい加減に生きる③全てなんとかなる、くよくよするな――とアドバイス。特に「努力をしない」については、京都大学や毎日新聞社に何の勉強をすることもなく一発合格だったことを強調。これはまさに〝鳥越流〟であり、凡人には真似できない気がするが、よく聞いていると、いろいろヒントがあった。
 その中の一つで、「心に余裕」を持つことの大切さも訴えていた。例えば学校で授業を受ける以外、予習も復習も一切の努力をしなかった鳥越さんは、テストの点数が少々悪いときは、「真剣に勉強していたら、もっといい成績を取れたはず」などと思っていたという。これは、はっきり言って前向きというよりも、開き直りや自分に都合のいい考え方をしているだけのようにも思えるが、そうすることで心に余裕ができるのだそうだ。そして、心に余裕があれば、健康や若さの大敵とも言われるストレスも感じにくく、だから鳥越さんも若々しいのだと思った。
 年の瀬が迫り、何かと慌ただしい時期だが、健康や若さを保つためにも心に余裕を持ちたいものだ。 (吉)