熊本市の化学及血清療法研究所が、国の未承認の方法で血液製剤やワクチンを製造していたというニュースには驚いた。筆者もこの時期になると毎年打っているインフルエンザワクチンは、国内3割のシェアを誇るという。安全上の問題は確認されていないといわれても、40年以上も組織ぐるみで不正をしていたような会社のいうことは信用できない。薬害エイズ訴訟で被告の一つとなり、再発防止を誓っていたはずの会社がまたしても過ちを犯したとなると、落とした信頼を取り戻すのは非常に厳しい。
化血研に限らず、ことしも大手企業による偽装がニュースになることがあった。マンション等の建設に際した杭データ偽造も記憶に新しい。人を欺いて収益を得るというのなら詐欺といわれても仕方がない。昨年大きな問題となったSTAP細胞の小保方晴子氏の疑惑といい、一体何を、誰を信じればいいのか分からなくなってくる。日本は各分野で世界から信頼されているというイメージだが、このような偽装が続くようではジャパニーズブランドの信用も失墜してしまうことが心配だ。
以前聴いた講演で、企業のコンプライアンスとは、法令遵守と直訳されるが、ようはいかに内部告発を防ぐかだといわれていたのが印象に残っている。内部告発者をいかに抑えるかではないことはいうまでもない、告発されるような不正をしないというのが企業の在り方だ。悪事はいつか必ず暴かれるのがまっとうな世の中。やましいことをして経営しようなんてことは通用しない。正直者がバカをみるような日本になってはおしまい。偽装や不正を働く企業はこれからも明るみに出るだろう。それが正常な世の中だ。(片)

