龍神村と高野町の観光協会初のコラボモニターツアー、「龍神発高野を巡る心身艶やかな旅」が28日から1泊2日で行われ、京阪神を中心に全国から20人の女性が参加した。初日の龍神村では特産のしいたけ料理、アート体験、美人の湯の温泉などを楽しみ、翌日は開創1200年を迎えた霊峰高野山を参拝。悠久の歴史と自然、文化に彩られた人気スポットの旅を満喫した。
 ツアーは龍神温泉の「日本三美人の湯」にちなみ、女性限定企画として参加者を募った結果、全国から50人以上の応募があった。参加者20人はJR和歌山駅へ集合後、バスで龍神村に入り、まずは福井の道の駅龍游の「つぐみ食堂」でランチ。特産のしいたけを使ったしいたけソースカツ丼、しいたけバーガーなどを楽しみ、龍神村のきれいな水と空気で育った肉厚、ジューシーな味わいに「めっちゃおいしい」と笑顔がこぼれた。
 続いては小家のアトリエ住宅で藍染、エアブラシアート、山路紙紙すきに挑戦。Iターンで移り住み、制作・生産活動をしているプロの芸術家から指導を受け、それぞれの作業と作品作りを体験した。エアブラシアートは圧縮空気で霧状の塗料を吹き付け、ぼかしや遠近感など細かくリアルな質感を生み出す絵画。8人が参加し、15年前、テレビ番組の企画で日本一に輝いたという柴田友助さん(60)から基本を教わり、クリスマスにちなんだ作品作りにチャレンジした。大阪府の看護学生、木村由里華さん(20)は「色の濃淡のつけ方が難しく、思うようにできなくてちょっと歯がゆいですけど、すっごく楽しいです」と話していた。
 藍染には7人が参加し、千葉出身の藍染職人計良容子さんのアトリエで天然藍の染色を体験。江戸時代から続く「天然藍灰汁発酵建て(てんねんあいあくはっこうだて)」と呼ばれる伝統技法に触れ、天然素材の染料に手を入れ、生地を染める過程では「意外にあったかくて気持ちいいです」と楽しそうだった。
 宿泊先の「季楽里龍神」では、山菜や豆乳など美肌効果抜群の「美人会席」、美人の湯の温泉も堪能。翌日は高野山までの途中、「日本で三番目に怖い」といわれる吊り橋に立ち寄り、高野山では宿坊遍照尊院での写経、精進料理のランチのあと、語り部同行で奥之院を参拝、金剛峯寺・壇上伽藍も見学した。