県は10日から、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が持つ地震・津波観測監視システム(DONET)の情報を活用し、新たな緊急避難速報メールの配信を開始した。
 仁坂吉伸知事が同日の定例会見で発表。海洋研究開発機構は、三重県尾鷲市の熊野灘沖合120~150㌔の海底に水圧計や強震計、広帯域地震計などの機器を設置し、地震と津波の観測情報をリアルタイムに発信できる体制(DONET1)を整備している。昨年3月からは和歌山県に観測データを提供し、本年度中には徳島県と高知県の沖合の監視システム(DONET2)が稼働する予定。
 和歌山県はDONET1の津波観測情報を活用し、観測点2カ所以上で大きな津波を観測した時点で避難を呼びかける緊急速報メールを自動配信し、さらに津波が大きくなれば続報の速報メールを配信する。徳島県と高知県沖のDONET2は本年度中に海底31カ所に観測機器が設置される見通しで、そのシステムが完成後、和歌山県の緊急速報メールにも対応する。