昭和53年10月から37年間にわたってJR紀勢線を走った特急「くろしお」381系が老朽化などで引退することになり、ラストランとなった30日、JR御坊駅にも最後の雄姿をカメラに収めようと鉄道愛好家が訪れた。
 381系は旧国鉄時代から活躍しており、振り子式の独特の揺れと、昭和時代を思わせるビジュアルが特徴。先頭車両はパノラマ型グリーン車を連結した編成になっているが、最後尾は昔ながらの「くろしお」の〝顔〟を残している。31日からは新しく289系が導入されることになっている。
 ラストランとなったこの日はいつも以上の乗車率となったほか、駅や沿線では写真撮影する愛好家もたくさんおり、御坊駅では午前10時46分の新宮行きに合わせて10人ほどがプラットホームでカメラを向けていた。兵庫県西宮市から来た会社員太村和也さん(35)は「子どものころに家族旅行でくろしおに乗って白浜へ遊びにいったことが忘れられない思い出。長い間お疲れさまという思いです」と話していた。