44年ぶりに開催された紀の国わかやま国体の興奮さめやらぬ中、24日には障害者スポーツの祭典、紀の国わかやま大会が開幕し、26日までの3日間、熱い戦いが繰り広げられた。老若男女、障害の有無にかかわらず誰でも楽しめるのがスポーツの魅力の一つ。それぞれの競技にひたむきに、そして情熱を持って打ち込む姿は人に感動を与える。勝つか負けるかではなく、この感動こそがスポーツの真髄ではないだろうか。感動を与える原動力となるのは、勝ちたいと思う気持ちの強さだろう。最近でいえば、南アフリカに勝ったラグビー日本代表がいい例だろうか。引き分け狙いではなくあくまで勝ちにいこうとする気持ちが人を強くする。
 先日、小学生女子サッカーの関西代表メンバー入りしたサザンクロス所属の長坂彩音さんを取材した。県内で2人しか選ばれていない選抜チームに選出されるのだからもちろん技術が備わっているのだが、印象的だったのは気持ちの強さ。「チームを引っ張っていけるように頑張りたい」「監督の目を引くプレーがしたい」、言葉の中には、サッカーが好きという気持ちと情熱が詰まっていた。一番感心させられたのは、「中学校では男子のクラブチームに入って頑張りたい」との言葉。この思いがあればもっともっと成長するだろう。活躍に期待を込めてエールを送りたい。
 少子化の中で、各競技とも選手を確保するのが大変な時代になってきたが、各指導者の方々のおかげでスポーツができる環境は整っている。とくに児童生徒の皆さん、勉強も大事だがスポーツから学ぶことはたくさんある。スポーツの秋、人に感動を与えるようなひたむきな姿勢で打ち込んでほしい。 (片)