鳥取県で開催された「とっとりバーガーフェスタ2015」で、和歌山県から参戦した㈱カワ(川良弘代表取締役)の「紀州梅バーガー」が優勝した。みなべ町の特産、南高梅の梅干しや紀州うめどりのチキンカツなど、梅の持つ健康イメージを前面に、「和歌山のおいしい」を詰め込んだ人気商品。北海道の「うにチーズバーガー」、静岡県の「牛タン100%ハンバーガー」などの強豪を押しのけ、見事、2年連続日本一の栄冠に輝いた。
 とっとりバーガーフェスタは国内最大級のご当地バーガーの祭典。毎年10月、国立公園・大山で開催されており、7年目のことしは11、12の両日、全国16都道府県から31チームが参加した。連覇を狙う和歌山県の「まるごと!? 紀州梅バーガー」のほかには、おととし優勝、昨年は2位で王座返り咲きを狙う「あわじ島オニオングラタンバーガー」、静岡県の「牛タン100%ハンバーガー」、北海道の「うにチーズバーガー」など強豪がずらり。商品を買った一般来場者と審査員による投票の結果、紀州梅バーガーは一般1121点、審査員680点の計1801点を獲得し、2位の「奥日野きのこのコンフィーバーガー」(鳥取県)に163点差をつけて優勝を決めた。
 紀州梅バーガーは、和歌山産の食材を使った新たな地域ブランドの創出を目的に、県と県内の食品加工企業などでつくる県食料産業クラスター協議会の紀州梅バーガー開発研究会が開発。具材を挟むバンズは小麦やとうもろこしなど8種類の穀物で作った「八穀バンズ」を使用し、中身は紀州うめどりのチキンカツ、はちみつ南高梅、梅ピクルス入りのタルタルソースと特製黒ソースの「W梅ソース」などが入り、「和歌山のおいしい」が凝縮されたご当地バーガーとなっている。
 昨年のフェスタは台風接近で延期となり、参加チームが減ったため、紀州梅バーガーの優勝は「参考記録」だったが、ことしは予定通りの開催日、参加チーム数でグランプリに輝き、正真正銘の日本一。特別賞として、店舗の設計や商品の企画などを審査対象とするデザイン賞も獲得した。
 昨年の優勝後、連覇を応援する企業や団体も増え、ことしはみなべ町の梅干し生産業者や県庁食品流通課の職員、ジビエバーガーの共同開発を進めている古座川町の職員らも含め、総勢13人のチームで大会に乗り込んだ。リーダーとして参加した㈱カワ本社企画室の今西廣典さん(35)は、「もちろん、連覇を狙っていましたが、会場で他のバーガーを試食するとどれもおいしく、正直、(連覇は)ちょっと厳しいかもという気もしました。多くの皆さまのご支援、ご協力を受け、1年間取り組んできたことが結果となり、驚き以上にほっとしたというのが感想です」と話している。
 紀州梅バーガーは1個422円(税込み)、パン工房カワ田辺店、御坊店など県内外16店で販売している。