第48回近畿高校ユース陸上競技対校選手権大会は21日から23日までの3日間、神戸市・神戸ユニバー記念競技場で開かれ、最終日の女子共通ハンマー投げで日高2年の桑原翠さん(17)=美浜町吉原=が和歌山県高校新記録となる50㍍34をマークし、見事優勝を飾った。同種目の県高校記録更新は5年ぶり。桑原さんは6投中の1投目で従来の記録を17㌢塗り替え、ダントツ優勝を決めた。
 大事な1投目。「記録を残しておこうと考え、ファウルにならないようにフォームに気をつけて投げました」。好記録を意識せずにリラックスして放った1投が県高校新の50㍍34を記録し、「思いのほか飛んだのでびっくりですが、目標の一つを達成できたのでうれしい」と笑顔をはじけさせた。
 中学時代は砲丸投げで全国大会に出場も、ハンマー投げに取り組み始めたのは高校に入学後。昨年暮れ、1年生の12月までは42㍍台が自己ベストだった。以前「2回転で投げていた」というフォームが4回転で投げられるようになり、記録もぐんぐんアップ。全国トップ選手と同じような遠心力を生かしたフォームを身につけると、ことし8月下旬には5年前に日高高の先輩・大﨑かなさん(23)=田辺高教諭、みなべ町=が樹立した県高校記録にあと2㌢と迫る50㍍15をたたき出し、調子を上げてきていた。
 2投目以降は50㍍台に届かなかったが、2位に5㍍以上の大差。最終6投目にはわずかに左にそれてファウルになったものの近畿高校記録の51㍍57ラインを超えたと見られる1投も披露した。普段の練習では「53㍍近くまで投げられる」とも話し、まだまだ記録を伸ばせる可能性は十分。26日に開幕する紀の国わかやま国体では上位入賞が期待されており、「目標は優勝すること」と日本一へ闘志を燃やしている。
 その他の日高地方勢では、男子2年3000㍍SCで沖見史哉君(和歌山北2年、みなべ町)が3位に入賞。記録は9分23秒54だった。