県は、みなべ町清川と田辺市芳養地内にまたがる県道芳養清川線の面谷(おもだに)トンネル(仮称)の掘削工事を始めた。現在のトンネルは幅員が3・3㍍と狭く車両の対向ができない状態だが、別ルートで幅員6・5㍍の2車線、延長653㍍のトンネルを新設する。平成29年度中の供用開始を目指す。
 場所は清川地内の大川集会所から田辺方面へ約500㍍の地点。現状のトンネル(延長356㍍)は昭和28年に建設。幅員が3・3㍍と狭くトンネル内に待避所もないため、一方からの進入車両があると反対側の手前で待機しなければならない。車両の高さ制限もあり、2・8㍍以上の車は通れない状態。地元や田辺市龍神村の住民が田辺市街への通勤や買い物などに利用する道路だが、交通のネックとなっている。平成23年9月の台風12号で幹線道路が損壊して清川地区が孤立したこともあり、「一日も早く道路の整備を進めてほしい」という声が高まっていた。
 こうした声を受け、県は平成25年度から事業に着手。新トンネルは現在のトンネルより標高の低い場所を通る形で、トンネル部分は653㍍、取り合わせ道路を含めた工事区間は約970㍍となる。工事に伴う通行規制は国体期間中は行わない。2年前に清川公民館で開かれた県政報告会でも、仁坂吉伸知事が「29年度ごろに完成させたい」と話していた。