5日朝、御坊市湯川町丸山のJR紀勢線線路内で、普通電車と乗用車が衝突。乗用車ははね飛ばされ、運転していた現場近くに住む45歳の女性が病院に救急搬送されたが、意識不明の重体となっている。電車の乗客約180人と乗務員にけがはなかったが、事故のため運行は約1時間40分ストップし、約1200人の足に影響が出た。
 現場は国道42号沿いの㈱御坊自動車から東約50㍍の宮前踏切で、御坊署によると午前9時10分ごろ、和歌山発、紀伊田辺行き4両編成の先頭車両が、国道向きに東から西へ踏切内に進入した乗用車の右側に衝突。乗用車は遮断機やコンクリート製のポールをなぎ倒しながら南へ約7㍍飛び、さらに約3㍍下の田んぼに落ちた。通報を受けて市消防が出動。レスキュー隊が運転席から女性を助け出し、ドクターヘリで和歌山市内の病院に搬送したが、女性は危険な状態が続いているという。
 電車は踏切から約100㍍進み、約50分間停止後に運行。紀伊由良~御坊間は1時間40分にわたって運転を見合わせた。線路は南向きに左へカーブする手前、道路の幅は約3・5㍍で見通しはよく、事故は北向きの電車が通過した直後だったとみられている。当時、乗用車が動いていたか、止まっていたかは分かっておらず、同署が詳しい原因を調べている。
 現場周辺には大勢のやじ馬らが集まり一時騒然。事故の瞬間を遠めで見たという男性は「すごい大きな音で警笛が聞こえました。ちゃんとは見えなかったのですが、本当に驚きました。なんとか助かってほしい」と表情をこわばらせ、通報した男性も「大きな音がしたので見に来ました。とにかく早く助けてあげてほしいと慌てて消防へ電話しました」と女性を気遣っていた。