夏休みが終わり、朝夕の通学路で登下校の子どもたちを見かけるようになった。新たな気持ちで勉強にスポーツ、その他文化活動に頑張ろうという子もいれば、もう学校なんか行きたくないと、うっとうしい気分の子もいるだろう。
 新学期のスタートは子どもの自殺が多くなるという。内閣府の調査によると、昭和47年からおととしまで42年間に18歳以下の子どもが自殺した日を調べてみると、夏休み明けの9月1日が突出しており、長期休暇の終わり、新学期のはじめに多くなっている。
 友人関係などに悩み、誰かに相談しても解決できず、「こんなに辛いならいっそ死んだ方が...」と、突発的に走ってしまうのが若者の自殺の特徴。教師、友人、家族は、死に傾きつつある前兆に気づかねばならない。
 不眠、過眠、拒食などのほか、言葉使いや身なり、生活態度が突然変わるのもそう。冗談のようでも「死にたい」と口にしたり、手首を浅く切って「やっちゃった」と笑っているのはかなり危険で、すぐにも精神科医など専門家に診てもらう必要があり、この際、それを「たいそな...」と思うブレーキはいらない。
 親や上司にもストレスに強い人、弱い人、過去にいじめを受けたことがある人、ない人などいろんなタイプがある。競争社会で闘うタフな人ほど「頑張れ」「負けるな」とプレッシャーを与えがちで、SOSに気づきにくいという。
 悩む子どもの考えを尊重するあまり、周囲から「甘い」とみられる親、教師がいる。しかし、この甘さこそ粘り強い精神力が必要で、死の衝動を抑える大切なつながりとなる。その糸は家族が最も太い。大人で家族がいない場合は難しいが、親類、友人、同僚らが無理をせず、ゆるいつながりを保ち続けてほしい。   (静)