先月中旬の台風11号通過の際、大阪方面にいく用事があったが、大変な目に遭った。
 高速道路は御坊から有田IC間が豪雨に伴う通行規制で通行止め。国道42号を通ろうと思ったが、由良町の水越峠がこちらも豪雨で通行止め。結局、同町衣奈、三尾川を抜けて広川町に出るルートを通ったが、広川でも道路の冠水被害などで右往左往。何とか有田ICまでたどり付き、高速で大阪に到着したが、帰りがもっとひどかった。夜遅く、台風も過ぎてほぼ雨の影響がないと思われるのに、高速は御坊から和歌山ICまでに通行止め区間が拡大。いわゆる〝下道〟(したみち)は、高速からあふれた車で大渋滞となり、通常、1時間半でいけるところが、7時間ぐらいかかった。
 そもそも台風の時に大阪にいくのが間違いだが、おかげで豪雨時に和歌山は南北に〝弱い道路〟であることを実感。渋滞中はトラックも多く見かけたが、新鮮さがウリの魚介や野菜を運んでいたとすれば、商売上がったりに違いない。せめてどこか1本でも災害に強い主要幹線があればと願う。
 そんな南北に弱い道路の一つである水越峠の国道42号について、由良町と広川町の官民がスクラムを組み、新トンネルの整備を視野に入れた抜本的対策を国に求めていくことになった。現在、この区間は急勾配、急カーブの連続で、連続雨量240㍉を超えると通行止めとなる難儀なルート。スムーズに通行できるようになれば、町内企業の物資や農産物の輸送が便利になり、観光地への誘客にもつながる。もちろん、南北に弱い県内道路状況の解消につながり、多くのドライバーの利便性も向上するわけで、国には前向きな取り組みを期待する。(吉)